- 2026年7月21日
- 2026年7月15日
家族が「様子がおかしい」と感じたら|受診をすすめる際の伝え方

「なんだか元気がない」「以前と表情が違う」「口数が減った」一緒に暮らす家族やパートナーだからこそ気づける、小さな変化があります。本人はまだ自分の不調に気づいていない、あるいは気づいていても認めたくない、そんな段階から、家族の観察はすでに始まっています。
しかし、いざ「病院に行った方がいいのでは」と感じても、どう伝えればよいのか迷う方は少なくありません。「大げさに思われたくない」「気分を害してしまうのではないか」「本人を傷つけてしまうかもしれない」そうした不安から、声をかけるタイミングを逃してしまうこともあるでしょう。
越谷 K こころのクリニックでは、これまでご本人が自らの不調に気づいて来院されるケースを中心にご案内してきました。今回は視点を変え、家族・パートナーとして大切な人の変化にどう向き合い、どのように受診をすすめればよいかを、具体的な伝え方とともにご紹介します。
こんな変化はありませんか?家族が気づきやすいサイン
本人よりも先に、家族の方が変化に気づくことは珍しくありません。次のような様子が 2週間以上続いている場合は、心身の不調のサインかもしれません。
- 眠れていない様子、あるいは朝早くに目が覚めてしまっている
- 表情が乏しくなった、笑うことが減った
- 会話の量が減った、返事が短くなった、自分から話題を振らなくなった
- 身だしなみへの関心が薄れた(髭を剃らなくなった、服装に無頓着になったなど)
- 休日の過ごし方が変わった(外出しなくなった、趣味に手をつけなくなった)
- ため息が増えた、涙もろくなった
- 食欲がない、または食べ過ぎる
- お酒の量が増えた
- ちょっとしたことでイライラする、落ち着きがない
- 仕事や家事でのミスが増えた
これらはひとつだけでは判断がつきにくいものですが、複数が重なり、2 週間程度続いている場合は、こころの不調のサインである可能性があります。「気のせいかもしれない」と様子を見続けるより、早めに専門家へ相談することが、本人にとっても回復への近道になります。
考えられる主な状態
家族が気づく変化の背景には、さまざまな状態が考えられます。ご本人の様子に近いものがないか、参考にしてみてください。
うつ病・適応障害
気分の落ち込みや意欲の低下が続き、仕事や家事、対人関係に支障が出ている場合は、うつ病や適応障害の可能性があります。特定の環境(職場や人間関係など)にストレスの原因がはっきりしている場合は適応障害、原因がはっきりしないまま気分の落ち込みが続く場合はうつ病が疑われることがあります。
不安障害・パニック障害
理由のない不安感が強く、落ち着かない様子が続く場合や、動悸・息苦しさなどの発作を伴う場合は、不安障害やパニック障害が背景にあることもあります。
不眠症
「眠れていない」という変化だけが目立つ場合でも、不眠症そのものが治療の対象になることがあります。不眠は他の不調のサインであると同時に、それ自体が心身の負担を大きくする要因にもなります。
いずれも、家族の目から見た「様子がおかしい」という感覚は、多くの場合正確です。診断名を決めつける必要はなく、「専門家に相談してみよう」という一歩を後押しすることが、家族としてできる最初のサポートです。
「受診してほしい」を伝える前に知っておきたいこと
いざ受診を勧めようとすると、伝え方ひとつで本人の受け止め方が大きく変わります。以下のポイントを意識してみてください。
主語を「私」にする
「あなたは調子が悪いから受診した方がいい」という伝え方は、本人にとって「決めつけられた」と感じやすいものです。代わりに「私が心配だから、一度相談してみてほしい」というように、主語を自分に置き換えると、責められている感覚を与えにくくなります。
タイミングを選ぶ
症状が強く出ているときや、口論の直後などに切り出すのは避け、比較的落ち着いているときに、時間の余裕を持って話しましょう。
「精神科」という言葉にこだわらない
「精神科」という言葉に抵抗を感じる方は少なくありません。「心療内科」「ストレス外来」「一度専門家に話を聞いてもらおう」など、本人が受け入れやすい表現を選ぶことも一つの方法です。
情報を先に調べておく
本人は「どこに行けばいいかわからない」「予約の仕方がわからない」といった手続きの煩雑さだけで、受診への意欲を失ってしまうことがあります。あらかじめ初診の方へのページで流れを確認し、 WEB 予約の方法を調べておくと、「一緒に予約しようか」「付き添うよ」と具体的に提案でき、本人の負担が軽くなります。
受診を拒否されたときの対応
家族が受診を勧めても、本人がすぐに応じるとは限りません。拒否された場合の対応も知っておきましょう。
避けたい伝え方(NG 例)
次のような言葉は、正論に聞こえても本人を追い詰めてしまうことがあります。
- 「病院に行かないと、もっと悪くなるよ」
- 「なんでそんなに頑なに拒否するの」
- 「みんな心配してるんだから、いい加減にして」
こうした言葉は、心配する気持ちから出たものであっても、本人には「責められている」「自分を否定された」と伝わりやすく、かえって心を閉ざしてしまう原因になります。
寄り添いながら、粘り強く
受診を拒否する背景には、「病気だと認めたくない」「うまく説明できない」「受診しても意味がないと感じている」など、さまざまな気持ちが隠れています。「なぜ行きたくないのか」を責めるのではなく、まずはその気持ちに耳を傾けることが大切です。
「病気だから病院に行こう」ではなく、「最近眠れなくてつらそうだね。眠りやすくなる方法を一緒に相談できるかもしれないよ」というように、本人が困っていることに焦点を当てると、抵抗感が和らぐことがあります。
一度で受け入れてもらえなくても、「いつでも一緒に行けるよ」という姿勢を伝え続け、根気強く向き合うことが、結果的に受診につながるケースは少なくありません。ご家族だけで抱え込まず、地域の精神保健福祉センターなど第三者に相談することも選択肢のひとつです。
厚生労働省の「こころの耳」では、ご家族向けの対応方法が詳しく紹介されていますので、あわせてご参照ください:ご家族にできること|こころの耳(厚生労働省)
初診に付き添うときに準備しておきたいこと
本人が受診を決めたら、家族の付き添いは大きな安心材料になります。当院にはじめてお越しいただく際の流れは、初診の方へのページでご確認いただけます。
当院の受診方法について
越谷 K こころのクリニックは、東武スカイツリーライン「新越谷」駅より徒歩 1 分、JR 武蔵野線「南越谷」駅より徒歩 2 分と、通いやすい立地にあります。ご予約は WEB 予約のみとなっており、048-940-1717 は WEB 予約専用の電話番号です。あらかじめご了承ください。
初診時には、本人の症状の経過や気になる変化を、ご家族からもメモにして持参いただくと、診察がスムーズに進みます。「いつ頃から」「どのような変化が」「どのくらいの頻度で」続いているかを整理しておくとよいでしょう。
経済的な不安があるときに使える制度
「受診や治療にどれくらい費用がかかるのか」「仕事を休むことになったら生活はどうなるのか」——受診を迷う理由には、経済的な不安が関わっていることも少なくありません。
傷病手当金
病気やケガで仕事を休み、給与が支払われない場合、健康保険から傷病手当金が支給される制度があります。支給を受けるためには医師の意見書(診断書)が必要になるケースが多く、条件や支給額は加入している健康保険によって異なります。詳しくは全国健康保険協会(協会けんぽ)の案内(傷病手当金について|全国健康保険協会)や、当院の休職・傷病手当金のページをご覧ください。
自立支援医療制度
通院による治療を続ける場合、自立支援医療制度を利用することで、医療費の自己負担を軽減できる場合があります。対象となるかどうかや申請方法については、診察の際に医師やスタッフにご相談ください。
こうした制度を知っておくだけでも、「受診してみよう」という気持ちの後押しになることがあります。
越谷 K こころのクリニックができるサポート
家族の変化に気づき、声をかけ、受診につなげるまでの道のりは、決して簡単なものではありません。それでも、早めに専門家につながることは、ご本人にとってもご家族にとっても、回復への大切な一歩になります。
越谷 K こころのクリニックでは、うつ病、適応障害、不安障害、不眠症など幅広い症状に対応しており、初診からご家族の付き添いも可能です。「本人を連れて行きたいが、どう声をかければいいかわからない」そうしたご家族からのご相談だけでも構いません。まずはお気軽にお問い合わせください。