• 2026年7月17日
  • 2026年7月14日

傷病手当金はいくら?申請方法と支給期間をわかりやすく解説

「休職したら生活費はどうなるのだろう」うつ病や適応障害などで休養が必要と分かっても、多くの方がまず不安に感じるのがお金の問題です。実は健康保険には、療養中の生活を支える「傷病手当金」という制度があります。

この記事では、傷病手当金が実際にいくらもらえるのかを月給別のシミュレーションで具体的に示しながら、支給条件・申請方法・支給期間まで順を追って解説します。

傷病手当金は、健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)の被保険者が、病気やケガのために仕事を休み、事業主から十分な給与を受けられない場合に支給される制度です。以下の 4つの条件をすべて満たすと支給対象になります。

  • 業務外の病気・ケガの療養のための休業であること(うつ病や適応障害などの精神疾患も対象です)
  • 仕事に就くことができない状態であること(医師の意見等をもとに判断されます)
  • 連続する 3 日間を含み 4 日以上、仕事を休んでいること(最初の 3 日間は「待期期間」と呼ばれ、有給休暇や公休日を含んでも構いません)
  • 休業中に給与の支払いがないこと(給与があっても傷病手当金の額より少なければ差額が支給されます)
    うつ病や適応障害による休職をお考えの方は、当院の休職に関するご案内もあわせてご覧ください。

うつ病適応障害による休職をお考えの方は、当院の休職に関するご案内もあわせてご覧ください。

傷病手当金が支給される期間は、支給を開始した日から通算して 1 年 6 ヶ月です。以前は「支給開始日から暦の上で 1 年 6 ヶ月」でしたが、令和 4 年(2022 年)1 月の制度改正により、途中で復職して給与の支払いを受けた期間があっても、その分は通算からカウントせず、実際に手当金を受け取った日数の合計が 1 年 6 ヶ月に達するまで支給を受けられるようになりました。

そのため、一度職場に復帰してから同じ病気が再発して再び休んだ場合でも、最初の支給開始日から数えて残っている日数分は受給できる可能性があります(対象となるのは令和 2年 7 月 2 日以降に支給が開始されたケースです)。

制度の詳細は全国健康保険協会(協会けんぽ)「病気やケガで会社を休んだとき」で確認できます。

傷病手当金の 1 日あたりの支給額は、次の計算式で求められます。

「標準報酬月額」とは、社会保険料の計算に使われる、おおよその月給に相当する金額です。

ここでは標準報酬月額を月給の目安とみなし、代表的な月給パターンごとに 1 日あたり・1ヶ月あたり・3 ヶ月あたりの支給額をシミュレーションしました。

※実際の標準報酬日額は 10 円未満を四捨五入するなどの端数処理があるため、上記の金額は目安としてご覧ください。加入期間が 12 ヶ月に満たない場合は、標準報酬月額の平均か全国平均額(令和 7 年 4 月 1 日以降は32 万円)のいずれか低い方で計算されます。

例えば月給 30 万円程度の方が 3 ヶ月休職した場合、目安としておよそ 60 万円の傷病手当金を受け取れる計算になります。給与の満額ではありませんが、療養に専念しながら生活費の柱を確保できる制度です。正確な金額は、ご自身の標準報酬月額を給与明細や勤務先の担当部署で確認のうえ、加入している健康保険組合・協会けんぽにお問い合わせください。

傷病手当金の申請には「健康保険傷病手当金支給申請書」を使用します。申請書は次の 4つのパートで構成されており、それぞれ記入する人が異なります。

  • 被保険者記入用(2 枚):ご本人が記入します
  • 事業主記入用(1 枚):勤務先の担当者が、休業期間や給与の支払い状況を記入します
  • 療養担当者記入用(1 枚):主治医が、労務不能と判断した期間などを記入します

申請書は加入している協会けんぽ・健康保険組合の窓口やホームページから入手できます。
申請から実際に振り込まれるまでは、目安として 2 週間〜1 ヶ月程度かかることが多いため、生活費に不安がある場合は早めに準備を進めることをおすすめします。

当院では、傷病手当金の申請に必要な診断書の即日発行に対応しており、療養担当者記入欄の記載についてもご相談いただけます。

傷病手当金はケガだけでなく、うつ病や適応障害、不安障害、パニック障害といった精神疾患による休職も対象になります。

「診断書をもらったら、もう後戻りできないのでは」と不安に感じる方もいますが、傷病手当金はあくまで療養中の生活を支えるための制度であり、申請したこと自体が今後のキャリアに不利益をもたらすものではありません。

気分の落ち込みや意欲低下が続く場合はうつ病、環境の変化がきっかけで不調が出ている場合は適応障害のページもあわせてご確認ください。ご自身の状態が気になる方は、無理をせず一度ご相談ください。

休職中の経済的負担を軽くする制度は、傷病手当金だけではありません。精神科・心療内科への通院を続ける場合は、医療費の自己負担割合が原則 1 割に軽減される「自立支援医療制度(精神通院医療)」もあわせて活用できるケースがあります。

対象になるかどうかは、当院の自立支援医療制度のご案内をご確認いただくか、診察の際にスタッフへお気軽にお尋ねください。

また、厚生労働省でも、こころの病気に関する相談窓口や支援制度の情報がまとめられています。あわせてご参照ください。
厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」(こころの病気に関する支援情報)

傷病手当金は、支給開始日以前 12 ヶ月の標準報酬月額の平均をもとに、1 日あたり約 2/3相当の金額が、通算 1 年 6 ヶ月まで支給される制度です。金額の目安はシミュレーションでご紹介した通りですが、正確な金額や手続きの進め方は、ご自身の状況によって異なります。

越谷 K こころのクリニックでは、休職や傷病手当金の申請に必要な診断書の発行、療養担当者記入欄への対応、休職から復職までの継続的なフォローを行っています。「そろそろ休んだほうがいいのかもしれない」と感じたら、一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。

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