- 2026年7月28日
- 2026年7月17日
会社の産業医面談とは?ストレスチェック後に呼ばれたときの心構え

「先週受けたストレスチェックの結果、産業医面談を勧められました」このような案内を受け取ると、まるで何か問題を指摘されたかのように感じ、面談前夜まで落ち着かなかったという声を、当院ではよく耳にします。
実際には、産業医面談は懲罰でも人事評価の場でもなく、心身の負担を早期にキャッチし、無理なく働き続けるための仕組みです。
この記事では、ストレスチェック後の産業医面談がどのような目的・流れで行われ、当日何を話し、面談後にどこまで会社に伝わるのかを、越谷Kこころのクリニックが分かりやすく解説します。
産業医面談とは?「怒られる場」ではなく「健康を守る場」
産業医面談とは、労働安全衛生法にもとづき、産業医が労働者の心身の状態を確認し、必要に応じて就業上の配慮について事業者に意見する制度です。
ストレスチェックで「高ストレス」と判定された場合や、長時間労働が続いた場合に、面接指導として実施されます。目的はあくまで健康管理であり、懲戒や人事評価とは無関係です。
詳しくは、厚生労働省「こころの耳」の長時間労働者、高ストレス者の面接指導についてのページでも説明されています。
どんな人が対象になるのか
常時50人以上の労働者がいる事業場では、年1回のストレスチェック実施と労働基準監督署への報告が義務付けられています。50人未満の事業場についても、2028年5月までに義務化される見込みです。
ストレスチェックの結果、高ストレス者と評価され、かつ本人が面接指導を希望した場合に、産業医面談が行われます。会社や産業医から一方的に呼び出されることはなく、あくまで本人の申し出が前提となっている点は覚えておくと安心です。
面談までの流れ
- 結果通知:ストレスチェック実施者(多くは産業医)が結果を評価し、高ストレス者を選定します
- 面談の勧奨:結果通知と同時、または一定期間後に面談の申し出を促されます
- 申し出:労働者本人が希望すれば、事業者に申し出ます
- 実施:申し出からおおむね1か月以内を目安に面談が行われます
- 情報共有:面談前に勤務状況や職場環境などが産業医に共有されます
という流れで進みます。焦って即決する必要はなく、まずは案内をよく読んで判断して問題ありません。
面談当日、何を聞かれる?話しておきたいこと
面談では、主に次のような点が確認されます。
- 最近の勤務状況(残業時間、休日出勤の有無など)
- 心身の症状(不眠、食欲不振、気分の落ち込みなど)
- 職場での人間関係や業務内容の変化
- 持病や通院状況
- 生活リズムやプライベートでの負担
うまく言葉にできなくても構いません。事前にメモを用意しておく、あるいは医療機関で相談して症状を整理しておくと、面談がスムーズに進みます。不眠が続いている場合は、当院の不眠症のページも参考にしてください。
面談内容はどこまで会社に伝わるのか
最も不安に感じるのが「話した内容がどこまで上司に伝わるのか」という点でしょう。
産業医は労働安全衛生法105条により守秘義務を負い、本人の同意なく健康情報の詳細を会社へ伝えることはできません。会社に共有されるのは、原則として「時短勤務が望ましい」「残業を控えるべき」といった就業上の配慮に関する意見のみです。面談を理由にした不利益な取り扱いも法律で禁止されています。
面談後の流れ:意見書と就業上の措置
面談後、産業医は必要に応じて意見書を作成し、事業者に提出します。事業者はこの意見をもとに、就業制限(時短勤務・業務内容の変更)、通勤方法の見直し、休職の検討など、就業上の措置を講じます。
措置の内容は本人の状態に応じて個別に決まるため、面談の場でしっかり希望や困りごとを伝えることが大切です。復職時の対応については、厚生労働省の職場復帰支援の手引きも参考になります。
「休んだ方がいいかも」と思ったら
面談を通じて、産業医から休職を勧められることもあります。休職に不安を感じる方も多いですが、心身を回復させるための正当な選択肢です。
休職中の生活を支える傷病手当金は、健康保険加入者であれば標準報酬日額の3分の2相当額を最長1年6か月受け取れる制度です(詳細は全国健康保険協会(協会けんぽ)を参照)。
当院では診断書の即日発行にも対応しており、休職や傷病手当金の手続きについてもご相談いただけます。通院にかかる医療費負担を軽減する自立支援医療制度も、症状が長引く場合の選択肢のひとつです。
うつ病や適応障害など、原因となる状態について気になる方は、それぞれのページもあわせてご覧ください。
人事・健康管理ご担当者様へ:面談運用で押さえておきたいポイント
産業医面談は労働者本人のためだけでなく、企業にとっても重要なリスクマネジメントの一環です。人事・健康管理ご担当者様には、次のような点に留意いただくと運用がスムーズになります。
- 面談の案内文には「人事評価とは無関係である」ことを明記し、申し出のハードルを下げる
- 高ストレス者への声かけを繰り返す際は、強制と受け取られないよう配慮する
- 産業医からの意見書を受け取った後、現場の管理職とどこまで情報共有するかを事前にすり合わせておく
- 自社の産業医のみで対応が難しい場合は、外部の医療機関と連携できる体制を整えておく
当院では、企業の人事・健康管理ご担当者様からのご相談も承っております。ストレスチェック後のフォロー体制づくりや、従業員の受診・休職に関する対応にお悩みの際は、お気軽にお問い合わせください。
よくある質問
Q. 産業医面談を拒否したらどうなりますか?
面接指導はあくまで本人の申し出が前提のため、断っても罰則はありません。ただし、心身の負担が大きい場合は、面談を受けることで早期のサポートにつながることが多く、まずは相談だけでもしてみることをおすすめします。
Q. 面談は何回でも受けられますか?
制度上の回数制限はありません。症状が続く場合や状況が変化した場合は、複数回の面談や産業医以外の医療機関の受診を組み合わせることも可能です。
Q. オンラインでの面談は可能ですか?
企業や産業医の運用によって異なりますが、近年はオンライン面談を導入する企業も増えています。詳細は勤務先の人事担当者にご確認ください。
Q. 面談を受けると人事評価に影響しますか?
影響しません。産業医面談は健康管理を目的とした制度であり、人事評価や昇進・異動の判断材料として使うことは想定されていません。面談内容を理由とした不利益な取り扱いは法律で禁止されているため、心配な場合はその旨を面談の場で確認しておくと安心です。
越谷Kこころのクリニックのサポート
産業医面談を控えている方、面談を経て受診や休職を考え始めた方は、お一人で抱え込まず、まずはご相談ください。当院では、うつ病・適応障害などの診断書発行、休職・復職のサポート、傷病手当金の申請支援まで一貫して対応しています。企業の人事・健康管理ご担当者様からのご相談にも対応可能です。初診の方へのページで受診の流れをご確認のうえ、WEB予約よりお申し込みください。