- 2026年9月18日
- 2026年9月14日
栄養相談ってどんなことをするの?こころの不調と食事のつながりを、一人で悩まず専門家に相談してみませんか

「栄養相談」と聞くと、どんなイメージを持つでしょうか。
- 食べたものを細かくチェックされそう
- 厳しく指導されそう
- カロリー計算をさせられるのでは
そんな少し身構えるイメージを持たれる方も多いかもしれません。
でも実際の栄養相談は、そんなに堅苦しいものではありません。当院で栄養相談を担当している管理栄養士から、「栄養相談って具体的に何をするの?」という疑問に、できるだけ分かりやすくお答えしたいと思います。
こころの不調と食事は、思っている以上につながっています
気分の落ち込みや不安、眠れなさといったこころの不調は、ストレスや環境の問題として語られることが多いように思います。でも実際には、毎日の食事の積み重ねも、こころのコンディションに関わっていると考えられています。
たとえば、気持ちの安定に関わるセロトニンや、眠りを促すメラトニンは、たんぱく質に含まれる必須アミノ酸のトリプトファンを材料に、ビタミンB6などの助けを借りてつくられます。材料が足りなければ、いくら「早く寝よう」「前向きに考えよう」と頑張っても、体の側が追いつけないことがあります。
また、たんぱく質・ビタミンB群・ビタミンD・鉄・亜鉛・マグネシウム・オメガ3系脂肪酸といった栄養素の不足が、抑うつ症状と関連する可能性を指摘した研究報告もあります。ただし「この栄養素をとればうつ病が治る」という単純な話ではありません。食事はあくまで回復を支える土台のひとつであり、治療に代わるものではないという点は、はじめにお伝えしておきたいところです。気分の落ち込みが長く続いている場合は、まずうつ病のページもあわせてご覧いただき、医師にご相談ください。
こころの病気全般については、厚生労働省「こころの病気を知る・支える」や、国立精神・神経医療研究センターでも情報が公開されています。
こんなサインはありませんか?
次のような状態が続いている方は、食事や生活リズムを見直すことで、体調の変化を感じられる場合があります。
- 朝起きられない、午前中はずっと頭が働かない
- 午後になると強い眠気やだるさが出る
- 甘いものや菓子パンで食事を済ませてしまうことが多い
- 食欲がなく、一日一食のこともある
- 反対に、夜になると食べすぎてしまう
- めまい・立ちくらみ・動悸が気になる
- 便秘や下痢を繰り返している
- 肌荒れ、爪が割れやすい、髪が抜けやすい
こうしたサインは、こころの不調のあらわれであることもあれば、栄養や生活リズムの乱れが背景にあることもあります。どちらか一方に決めつけず、両方の視点から見ていくことが大切だと考えています。眠りの問題が中心にある方は、不眠症や睡眠外来のページもご参考になさってください。
まずは「今の生活」を聞くところから
栄養相談は、いきなり食事内容にダメ出しをするところから始まるわけではありません。
最初にお話を伺うのは、今どんな生活を送っているか、どんなことに困っているか、といった日々のことです。頭痛や便通、お肌のトラブルなど、食事とあまり関係ないのでは?ということまで丁寧にお伺いしています。そういった症状が食事改善のヒントになります。
「こんなこと相談していいの?」と悩まずに、どんな小さなことでもお聞かせください。
大切にしたいものは、制限せずに続けられる形を探します
その方が現在意識して取り組んでいることや、食事における価値観も大切にしています。
- 趣味のお菓子づくりを楽しみたい
- お酒を飲む時間を大切にしたい
甘いものやお酒など、一般的に制限されそうなものでも、その方にとっては大切なものなので、いかに上手に楽しんでいけるかを考えていきたいと思っています。「こんな食生活を送っていたい」という理想の形をぜひ教えてください。
仕事のリズム、睡眠時間、体調の波など、まずは全体像を知ることから始めていきましょう。食事はその中の一部です。「食べているものを否定される場所」ではなく、「今の自分に合ったやり方を一緒に探す場所」だと思っていただけたらうれしいです。
いきなり完璧を目指さない、段階的な進め方
栄養相談というと食事内容そのものに目が行きがちですが、実は食事の前に整えておきたい土台があります。それが「水分摂取」「入浴習慣」「睡眠」の3つです。
食事は毎日の生活リズムの上に成り立っています。水分がしっかり摂れているか、湯船につかる習慣があるか、眠りの質はどうか。こうした土台が整っていないまま食事だけを変えようとしても、なかなかうまくいきません。
そのため、いきなり食事の細かい話に入るのではなく、ステップ1・ステップ2・ステップ3という形で、無理なく順番に整えていく進め方を大切にしています。
ステップ1:水分・入浴・睡眠という土台を整える
まずは体が動きやすい状態をつくるところから。こまめな水分補給、湯船につかって体を温める習慣、起床・就床時刻をできる範囲でそろえること。地味に思えるかもしれませんが、ここが変わるだけで日中のだるさが軽くなる方は少なくありません。
ステップ2:欠食を減らし、食事のリズムを整える
次に、食べる「内容」よりも「タイミング」を見ていきます。朝食を抜いていないか、食事の間隔が空きすぎていないか、夜遅くに食べる量が偏っていないか。血糖の乱高下は、気分の波や強い眠気、イライラとして感じられることがあります。
ステップ3:不足しやすい栄養素を補っていく
土台とリズムが整ってきたところで、たんぱく質や鉄、ビタミン・ミネラルといった、不足しやすい栄養素に目を向けていきます。当院では、必要に応じて血液検査の結果も参考にしながら、その方に合った食べ方を一緒に考えていきます。
「身体に良い食べ物は何?」「何を食べたらすぐに効果が出るの?」と気になる方もいらっしゃるかと思いますが、この3つのステップを踏むことで、圧倒的に効果実感が変わってきます。一気にすべてを変えようとせず、焦らずに、「今できることから」「今の自分に必要なことから」始めていきましょう。栄養と食生活の基本的な考え方は、厚生労働省 e-ヘルスネット「栄養・食生活」でも紹介されています。
相談は一度きりではなく、続けていくもの
体質や生活習慣は、一度のアドバイスですぐに変わるものではありません。だからこそ栄養相談は、継続的に関わっていくことに意味があります。
日々の食事を記録して振り返ったり、定期的にフィードバックを受けたりすることで、「続けられている」という実感が積み重なっていきます。
根本的に改善していくには、当然難しいこともあるかと思いますが、そういうことこそ一緒に考えていきましょう。何でも正直にお話していただけることはとてもうれしいことです。完璧を目指すのではなく、無理なく続けられるペースを一緒に見つけていきましょう。
治療と並走するもの、という位置づけです
栄養相談は、お薬や診察に代わるものではありません。気分の落ち込み、不安の強さ、眠れなさなどの症状については、不安障害などのページもご覧いただきながら、まずは医師の診察を受けていただくことが大切です。そのうえで、治療と並走する形で食事や生活リズムを整えていく。この組み合わせが、回復の実感につながりやすいと考えています。
また、服薬中の方や持病のある方は、栄養面での配慮が必要な場合があります。サプリメントの使用を検討されている方も、自己判断で始める前に、医師や管理栄養士にご相談ください。
こんな方におすすめです
- 何から手をつけていいか分からない
- 自分ひとりだと続かない
- 食事だけでなく生活リズム全体を整えたい
- 専門家に相談しながら、少しずつ変化を実感したい
- 通院は続けているが、生活面でもできることを探している
栄養相談は、特別な人だけのものではありません。日々の生活を少し整えたい、そんな気持ちがあれば誰でも始められます。まずは今の生活について、気軽にお話しするところから始めてみませんか。
越谷Kこころのクリニックの栄養相談について
当院では、心療内科・精神科の診療とあわせて、ご自身の身体がどのような状態なのか、どの栄養素がたりていないのかがわかる栄養解析レポートを作成できます。それに加えて管理栄養士による栄養相談を行っています。お一人おひとりの生活背景を伺いながら、必要に応じて血液検査の結果も参考にし、今の状態に合った食べ方を一緒に組み立てていきます。
ご希望の方は、診察の際に医師またはスタッフまでお気軽にお声かけください。「相談してみたいけれど、何を話せばいいか分からない」という状態でまったく問題ありません。
アクセス
- 越谷Kこころのクリニック(精神科・心療内科) 院長:宮内 賢
- 〒343-0845 埼玉県越谷市南越谷4丁目11-5 メディカルプライム新越谷 5F
- 東武スカイツリーライン「新越谷」駅より徒歩1分/JR武蔵野線「南越谷」駅より徒歩2分
診察のご予約はWEB予約ページから、はじめて受診される方は初診の方へをご確認ください。一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。